皇帝の歌 La Canción del Emperador
今日はL.ナルバエス「皇帝の歌 La Canción del Emperador」
現在ではリュートやクラシックギターのレパートリーとして有名です。
本来はビウエラというギターの先祖的な楽器で演奏されていました。
まずは、名手ジュリアン・ブリームの演奏で…
Julian Bream | La Canción del Emperador | Luis de Narváez
クラシックギターで弾くと、こんな感じ。
Matt Palmer - La Canción del Emperador by Luis de Narváez
哀愁ただよう美しいメロディーです。
さて、この「皇帝の歌」というのは、神聖ローマ皇帝カール五世(スペイン王としてはカルロス二世)の事です。
この皇帝はドイツ、オーストリア、スペイン、オランダ、イタリア等に領土を持つ強大な帝国の皇帝だったのですが…
それだけに敵も多く、宿敵フランス王、ドイツではプロテスタント諸侯、さらにはイスラム世界のトルコ皇帝と、生涯戦争続きでした。
で、彼の愛した曲が、ルネサンス時代最大の作曲家ジョスカン・デュプレの「千々の悲しみ Mille regretz」でした。
Josquin Mille regretz Cantica Symphonia
そして、これを「皇帝の歌」という名でルイス・デ・ナルバエスがビウエラ用に編曲した、というのが、この曲の由来です。
16世紀欧州の流行歌をお楽しみください。