リュート大好き!

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皇帝の歌 La Canción del Emperador

今日はL.ナルバエス「皇帝の歌 La Canción del Emperador」

 

現在ではリュートクラシックギターのレパートリーとして有名です。

本来はビウエラというギターの先祖的な楽器で演奏されていました。

 

まずは、名手ジュリアン・ブリームの演奏で…

 


Julian Bream | La Canción del Emperador | Luis de Narváez

 

クラシックギターで弾くと、こんな感じ。


Matt Palmer - La Canción del Emperador by Luis de Narváez

 

哀愁ただよう美しいメロディーです。

 

さて、この「皇帝の歌」というのは、神聖ローマ皇帝カール五世(スペイン王としてはカルロス二世)の事です。

 

この皇帝はドイツ、オーストリア、スペイン、オランダ、イタリア等に領土を持つ強大な帝国の皇帝だったのですが…

 

それだけに敵も多く、宿敵フランス王、ドイツではプロテスタント諸侯、さらにはイスラム世界のトルコ皇帝と、生涯戦争続きでした。

 

カール5世 (神聖ローマ皇帝) - Wikipedia

 

で、彼の愛した曲が、ルネサンス時代最大の作曲家ジョスカン・デュプレの「千々の悲しみ Mille regretz」でした。

 


Josquin Mille regretz Cantica Symphonia

 

そして、これを「皇帝の歌」という名でルイス・デ・ナルバエスがビウエラ用に編曲した、というのが、この曲の由来です。

 

16世紀欧州の流行歌をお楽しみください。